髪を切られて眠くなる
昔は父親と一緒に散髪に出かけていた。幼い私は、チャチャっと切ってもらって終了。
しかしおとっつぁんはパーマをあてるので、かなり長い。
だから、すぐいびきをかく。
気づいたら彼は眠っているのだ。
多分、日々の仕事で疲れているのだろうが、
そのイメージが強烈すぎるあまり、自分の頭の中では散髪=眠くなる と、なってしまったのだ。
あれからずいぶん月日が経った。
二人の行きつけだった床屋のマスターは亡くなり、店は無くなってしまった。
そして今、
自分はふるさとを離れ、一人で暮らしている。
髪が伸びたら、行きつけの”美容室"で、血のつながりなのか、パーマをかけるのだ。
うつらうつらしながら。
...
不思議なものですね。